税理士報酬は、税理士事務所毎によって方針の違いはあれど、基本的には顧問先企業の「売上(年商)」と、「事務所で必要となる工数」の2軸で増減するのが通常です。

前回投稿させて頂いた①のお話においては、記帳代行を依頼している場合だと、同程度の売上の企業であっても、業種によって、作業量に大きく差がでてしまう、という内容に触れさせて頂きました。
今回も、別要因で報酬が増加しやすいケースについてお話をしていきます。

●消費税に関わるもの
今回のケース、貿易関連事業、加えて言うのであれば、輸出の事業をメインにされている方が対象となりやすいです。
輸出関連の事業となると、非常に大きなウェイトを占めるのが、消費税申告、つまり「消費税還付」です。

輸出事業においては、消費税が免税となっています(※)。
そのため、輸出する物品の仕入れや輸出関連事業に関連した費用にかかった費用も免税となりますので、支払った分の消費税還付を受けることになる、という話です。

※参照:国税庁 輸出取引の免税
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6551.htm
ですので、輸出事業を行う事業者さんは、決算後の申告で、消費税申告においては「マイナスの申告」、つまり還付を受けるというのが非常に一般的です。

●報酬が上がってしまいやすいケース
では、この場合で何故税理士報酬額が高くなってしまうのでしょうか?

確かに、消費税申告は全ての事業者が行っているわけではないため、消費税の申告を行う業者かそうでないかで、税理士事務所の報酬としては、顧問料の1か月分や数万円の費用が上乗せされるというのが一般的です。この程度であれば、そこまで「報酬が上がってしやすい」とは言えないと思います。

ですが、これが毎月や3か月毎に発生するとしたらどうでしょうか?
消費税においては、課税期間の短縮という制度が存在します(※)。

※参照:国税庁 課税期間
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6137.htm
輸出事業にとって、国内で払う消費税は本来納めなくてよいものですから、その分、事業への資金繰りを圧迫するものです。だからこそ、1年間というサイクルで申告・還付を行うのではなく、1か月毎・3か月毎に行うことも出来るようになっているわけです。
そうすることで、事業主はそのサイクルで還付を受けることが出来、事業への資金として活用できるようになる、という訳です。

ですが、申告の際に決算を組まなければなりません。
この制度は、1か月毎なら毎月、3か月毎なら3か月に1回、決算を組むのと同じ状態になります。通常の年1回申告であれば、そもそも1期の〆として決算を組む必要があり、それによって消費税も導き出されるというものなのですが、この場合は消費税の申告を行うために、それまでの数字を〆なくてはなりません。

通常の税理士事務所の報酬では、決算料が発生しているので、決算時の消費税申告分は軽微な報酬額となりますが、それ以外の消費税申告においては、それ相応に報酬が発生するのが一般的です。

そのため、毎回の消費税還付が100万円を超えるような状況であればまだしも、1か月・3か月毎の申告だと、数万・数十万レベルの還付額という状況の場合は、税理士さんへ支払う報酬の増加、決算を組むための資料準備・手間等を考慮すると、「割にあわない」ということも考えられますので、課税期間の短縮は慎重にお考えください。