税理士との契約というのは、基本的には毎年コロコロ変更するものではありません。
その分、初めて税理士と契約する人はもちろん、今まで継続的に税理士と顧問契約を結んでいる人や企業でも、自分の払っている報酬が「高い・安い・相場通り」のどれに値するかわからないものです。

当税理士紹介ネットワークのWebサイトでも、税理士の報酬目安は出しているものの、あくまで「目安」であり、実際にはお客様の事情・業種・要望内容によって、それよりも高くなったり・低くなったりすることが多いです。
では、税理士の報酬というのは、主に何を基に変動しているのでしょうか?

●税理士報酬を変動させる2つの大きい要因
税理士の報酬が主に何によって変動するかというと、「売上」と「手間賃」です。
まずは、「売上」について具体的に説明していきます。

① 売上
極端な話ですが、売上が小さい事業者でも、大規模な法人でも決算は行います。で、あれば、売上規模の大小によって、税理士事務所の業務量は大して変わらないのではないか?というお考えもあるかもしれませんが、それは出来上がった書類だけを見たお話です。

売上が大きくなると、適用できる法律が変わったり、消費税の対象となったりといった変化が起こり、申告書類の作成枚数や、実際の税金計算方法が変わる可能性もあります。
そして、一般的には売上規模が大きくなるにつれて、その企業では利益や経費の金額も大きくなるのが常です。となると、税理士としては、小規模だった時代と比べて気を回す部分が増えるわけです。利益額が大きくなれば、節税の選択肢を企業側に提案することも必要ですし、経営者側もそれを大きく求めるようになります。
また、経費が大きくなる分、もし誤った経費計上や、適用されるべき法律を見逃してしまうようなことが起きると、対象となる企業へのインパクトは非常に大きいものとなります。酷い場合は、数百万円~数千万円の損害を企業が被る可能性もあり、訴訟等に発展することすらあります。
流石に、税理士側としてもこれだけのリスクを抱えていくかもしれない中で、作成する書類枚数が同じだからといって、「同じ料金」で関与するのは難しいとお考え頂ければと思います。

一般的には、「年商1,000万円未満」、「年商1,000万円以上」のようにある程度の基準を設けて、税理士側が関与する場合の金額を設定しています。大体、「年商1億円」くらいまでは、1,000~3,000万円単位で報酬基準が推移し、それを超えると、1~2億円単位で報酬基準が推移していくことが多いです。

また、そこまで多くはありませんが、事務所においては、売上での基準ではなく、「年間の純利益額」や「代表者の役員報酬額」の増減において、税理士報酬額を決定しているところもあります。これも、この金額が大きくなればなるほど、上記に書いてあるようなことに気を回さなければならなくなるという意味では同じ考えなのですが、この事務所では、売上よりも純利益や役員報酬の方が、会社の状況を明確に表す指標だろうとお考えになっているためです。